会社理念
【児童分野理念】
子どもは、適切な養育環境で、生活を保障され、愛し守られ・成長・発達・自立に必要な福祉を受けることができる権利をもっている。これらは、「受動的権利」と言われ、子どもが健やかに成長・発達する上で、不可欠な基本的権利である。これに加え、自分のことは自分で決めること、意見を自由に表明すること、休むこと、自由に集まって活動することなどの子どもが主体となって権利を行使する「能動的権利」も有している。児童の権利に関する条約では、子どもには、①生きる権利、②育つ権利、③守られる権利、④参加する権利の4つの権利があるとしている。障害のある子どももない子どもも同等の権利を有しているが、障害があるがゆえに権利侵害を受けたり、様々な景観が出来ないまま放置されたりされることも少なくない。障害のある子どもが障害や特性、発達段階に応じた環境で支援や活動を提供し、一人ひとりが輝ける居場所となれるよう、子ども期にしか味わえない、もしくは子ども期にこそ必要な遊びや体験、地域との交流を積極的に実践に組み入れていくことで、学校でも家庭でもない己や他者と相互交渉しながら、大人になるための、この時期にしか獲得できない多くを学ぶ事ができる事業所を目指します。
(株)アイ・エヌ・ジーが大切にする
支援への想い五ヵ条
子ども本人への発達支援「育ちや暮らしへの意欲」「コミュニケーションする力」「生活する技術・技能」「自分で決めて、自分で選ぶ力」「家庭・地域支援の関わり」
1.育ちや暮らしの意欲
育ちや暮らしの意欲は、自立していくためにはとても重要となる。これらは、“自分が愛されている”“自分が認められている”という自信、“自分で出来たという達成感や満足感”“自分は誰かの役に立っている”という効力感や有用感から育ってくる。これらは就学前から培われていくべきものだが、学齢期においても引き続き大人になるための土台が必要となる。konoki有明・Like登呂共に、子どもにとって安心・安全な基地となるよう心がけることが重要である。
2.コミュニケーションする力
コミュニケーションとは、音声言語に限定されない。子どもは視線や表情、筋肉のちょっとした動きなどで多くのことを伝えてくる。支援者は、その発信を敏感に読み取り、子どもの気持ちを代弁するなどして機会あるごとに本人の意思を確認しながら理解することが大切である。スタッフも子ども達に対してしっかりと言葉やサイン、眼差し、具体的な提示などで思いを伝える事が必要である。
3.生活する技術や技能
発達や学習の課題に対して個別または集団での指導を積み重ね、必要なスキルの獲得が自立した生活につながると考えられてきた。それ自体は否定されるものではないが、例えば、計算ができても買い物ができなくては意味がなく、逆に地域で暮らしていくには計算が出来なくてもお買い物ができる方が自立的な生き方といえる。これらの、生活技術(ソーシャルスキル)に加え、楽しめる能力(ライフスキル)を育てていくことが重要になる。アイ・エヌ・ジーは、生きた教材の有る地域の中で展開される事業であり、ソーシャルスキルやライフスキルを育てるには最適な実践の場となる。
4.自分で決めて、自分で選ぶ
どんなに重い障害があっても、自分で決めて自分で選ぶことは能動的権利保障の観点からも重要である。自分の意見を言うことは難しくても、選ぶことは小さい頃からの積み重ねにより身に着けることができる。知的や精神に重度の障害のある子どもであっても可能であるということを意識して活動に取り組んでいくことが重要である。様々な経験を積むこと(経験しないとわからないし決められない)、あらゆる場面で(「選ぶ」経験が「決める」ことにつながる)、意見を自由に言え、間違っていても批判されずに聞いてもらえる経験「意思表明権」が何よりも重要である。現在、障害のある大人の支援において「意思決定支援」が最重要課題の1つになっているが、意思決定のベースを作るためには幼少期から大人期へと連続する「学齢期」においてこれらがしっかりと取り組まれていなければならない。
5.家庭支援・地域支援
子どもが最大限に成長・発達できるようその基盤となる家庭生活や親子関係を支援し子どもを中心とした概念であることを理解し、保護者が子どもの事を心から愛おしいと思え、また、様々な発達課題を乗り越えなければいけない激動の思春期を子どもと共に、時には一定の距離感を保ちながら見守れるよう支援する。
※地域支援
地域支援は、単なる情報共有にとどまらず、「地域の機関と一貫・分担した支援」「地域へ出向いた支援」「地域人材(強み)を活用した支援」「地域で交流する支援」など地域と積極的につながって活動する事業所になる。